スキップしてメイン コンテンツに移動

Symphonic Rain 感想

Steam HD版を買ったら激しく感情を揺さぶられる作品だったのでここになんかかく。
感想を言語化するのは得意ではないのでどうあがいても自由律。

当然のようにネタバレがある上に登場人物の説明もないので買うか自衛するかしなさい。

さてシンフォニック=レイン自体は全く知らなかった。Twitterでブッ刺さってる方がいたので若干の期待と、良かったら背景にでもするかという程度のノリで買った。

前情報が皆無だったわけではない。その刺さってたツイッタラーの死生観や好んだ他作品やらで重そうな作品だろうなと想像はついたし、奇しくもSteamで買ったことによりフレンドにバレ、何人かがシンフォニックレインとは良いセンスしてますねえ的な事を言っていた程度には何かがある作品なんだろうなと思っていた。





プレイ開始後はなんとなく進めていった 。音ゲーパートを最初Normalでやってたんだが当然クリアできず、何度かコンティニューを諦めたりEasyにして進めていった。
誰のルートに入るかも想像できず、ただなんとなくアルかトルタかファルさん辺りにたどり着くだろうなと読み進めていった。

ああ、良心の呵責、無力さへの悔恨、したくない決断、が絡んでくる重そうなシナリオだなと予想がついて、読みたくないと引き気味だったがそれでも文章は読めるものだったので普通に読んでしまった。

ただトルタの会話や態度から漏れ出てしまう、報われなさそうな想いと、それに気が付いてなおアルをしっかりと想い距離を置こうというクリスとか既に重かった。
いやクリスはどうでもいい(どうなってもいい)が周囲に不幸をばらまくのはやめろよと祈りながら読んでいた。

ナターレにアルさん来たし正月も来ちゃったしあれ?パートナーはトルタになったか、それもよし。順当な結末になれよ。というより現状をさらに不幸せにするのをやめろと祈っていたら卒業演習の前にアルさんと一緒に街の外へ行きEND

ただフォーニが消える描写で、ん?とこれでよいのだろうかと疑念が浮かんだりはした。
初回はBADENDとされてしまった。



二週目はトルタ√に行こうと思っていた。アルさん√(?)も見たしちょうどよいなと。
プレイ中は、報われない想いをどうするの……というフレーズや、
クリスがアルに抱いていた想いが揺らいだり、ナターレでアルが来なかったり、
ミサでまずアルを想い最後にトルタを想う描写や、
隣にいたのはアルだったはずだろう?
など順当にプレイヤーの良心にダイレクトアタック決めてきて非常に辛かった。

トルタのあふれる想いも辛かった。楽譜を忘れたり、ある種のころしきれない想いや必死さを、あるいはしてしまう計算を、とめられない行動を、プレイヤーが裏切るのだ。プレイヤーこそがその想いを嬉々として踏みにじるのだ。そうでないならばアルを裏切るのだ。つらい。

ただトルタも優しい良い子だけど、何か秘めてるだろうな?とはかすかに勘付いた。どこで勘付いたかまではわからないけれど。

順当にアルからの手紙も重かった。「クリスとトルタならきっと大丈夫」って書いてあるがそれが本心ではないとは初回√でのアルさんの行動でわかっていた。 つらい。この後どうするんだ。誰も報われなさそうな嫌な予感がひしひしとする。ゲロ重い。

さて1/1ドアを開けるとそこにはあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
あああああああああああああああああああああああ!?!!?!?!?!?????
クリス、その曲は誰を想って弾くんだい……………………
からのAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!
お前なにを……………………それはないわ、、、、ぐえええええ。

 1/2 アルさんはかしこいなあ
さわやかな終わり方ってこうなのかな、でもアルさんの評価は爆上がりするけどクリスに対するそれは冷え切ってるからな?
コーデル先生の前での練習が、いつもと同じ難易度Normal(このころには慣れたんで戻していた)のはずなのに衝撃のあまり震える手、リズムも取れずコンティニューすら諦めた。

 ゲロ重い地獄に溜息をつきながらENDへ、ラストのCGで匂わせがあったけどそれよりまだ1月からの衝撃で放心していた。アルとトルタの心中をおもんばかってただやるせなさにつつまれていた。
誰も、誰も報われない。クリスはいっぺん吊るされてこい。



 続いてリセ√へ。
華奢な身体や行動からあー児童相談所案件かやだなーと思いつつ進めていった。
このころにはアルへの想いはいったん置いといてとりあえず読み進めなければと思っていた。
ファルさんの「人を信じすぎないほうがいい」的な台詞で嫌な予感はあった。
まあそうなるだろうなーとシナリオを追っていったが、作者、そのENDは。そのENDはどうなんだと暗澹たる思いになった。
ただ、ENDそのものより、トルタの「それで贖罪のつもり?」という言葉が刺さった。
つまりなんかある。しかもトルタが、あのトルタがそれを口走ってしまったあたりトルタも追い詰められていそうでそこらへんもつらかった。


続いてファルさん√へ
なんかファルさんの知識が状況にそぐわないほど多かったりしてなんか裏があるなとは思った。
しかしクリスに対する悪印象は拭えないので、やーいクリスは乗せられろ!!とか、クリスでは絶対敵わないから周囲に不幸をばら撒く前にはやく逃げろと思っていた。
別にアーシノがなんだろうが構わない、というよりクリスがどうなろうが構わないのでシナリオ、ENDは普通に楽しめたし、トルタがそこまで不幸っぽくならなかったのでイイハナシダナー、イイハナシカナー?って感じではあった。
あとこれ一応ギャルゲだよね?全年齢だよね?乙月杯日。


ファルさん√の途中では既に、この舞台設定に関する不信感や、クリスの語り手としての不信感、アクロイド殺しやMR.ROBOTのような何かを察していてそれはほぼ確信に近くなっていた。

 さて al fine
舞台設定はここまできたらやはりなという感じではある。
アルの所とクリスの部屋の絵画の空模様が対照的だったり面白いなと。
種明かしであるのだろうし、構造は衝撃的といえば衝撃的だったのだが。
だが、なによりトルタの心情が、真意が合わさりとんでもなく重い。
葛藤、後悔、嘘の連鎖、希望、罪悪感、動いてしまう心。
感覚的にはゲーム内で最も重かった。


al fine にてアルが病床にあり、死期が近いと知ってしまった。
トルタがどんなにアルを想い、クリスを想っていたかを知ってしまった。
そうなると今まで、ただなんとなく流していた描写が致命の鋭さを持ち始める。

リセ√、トルタの「それで贖罪のつもり?」
ああ、アルを想いクリスを想い、支え続けていたトルタが、その言葉を発するのは。
アルは死んだのだな。プレイ当初アルさんがそんな事になっているとは知らなかった、知らなかったんだ。赦してくれ。
わたしは本当に何も知らず、アルの死と向き合えず、ただクリスがリセに対して献身的に過ごしているのを見て、わたしはそれで良かったと思ったんだ。その程度に思っていたんだ。

 トルタ、トルタ。お前は病床のアルを知っていた。クリスに思い出されることもなく死んでいったアル、病床のリセ、そして想いを抱いていたクリスが今リセに対してとっている行動も知った。
どんな思いだったのだろうな。あまりにもむごい。
あまりにも残酷だ。

そんなことをal fineをプレイしたことによって知らされるのだ。

ファルさん√、ファルは最後にクリスを連れてどこへ向かっていた?
ファルはどこまで知っていた?
アルの真実をクリスに突きつけるのだろうな。
そしてクリスのフォルテーニは最高の悲しみの音色を奏でるだろう。
ファル、計算高く人間的で魅力的で、あまりにひどい女。
わたしはファルがそんなことをしようというのを知らなかったよ。

そんなことをal fineをプレイしたことによって知らされるのだ。


そしてちょっとだけ。フォーニ?お前が消えたのはいつだった?
なあ、アルが死んだのはいつだった?
1/20 0900
重い。フォーニよ、アルよ、後悔なく逝ったか?たぶん後悔はなかっただろうな。フォーニの行動を見るに、それは整理がついたのだろう。
フォーニのそれを死と形容して良いのか?
わたしはそれを死と形容する。
今となっては陳腐な考えだが、やはり神明は想われなくなったときに死ぬのだ。
ここでフォーニとアルを混同するべきではない?いいや、人は自らと他者の区別すらつかない。そこでそう象徴的なものがあればそれはそうあったのだ。
死者は語らない。そうあれと望むことはそうあったことになる。
そしてもうトルタとクリスの心はブレないだろう。アルが死んだことも、それを結果的に喜んでしまいそうなのも。
それら含めて時が清算していくだろう。






























































フォーニ?















さようなら。
私はもう、あなたの側にはいられない。
——思い出さなくてはならない。
——思い出さなくてはならない。
——思い出さなくてはならない。

嘘の連鎖が嫌だった。
アリエッタ?
それはトルタの役割だから。

間に合わせろ。タイムリミットは1/20だ。わたしだけが知っている。
思い出せ、思い出せ、思い出せ。
わたしの私のお前の 願望が、報われない想いが。
それぞれの行く先が合って、それぞれの幸せがあって
こころはそこへ向かう。

彼はいつかは来なければならない……

人間意志は一つの目標を欲する
慢性的な苦痛や倦怠と戦うための最良の武器であり、冬眠のための口実である。

わたしはようやくこの物語を閉じられる。
良かったなんて陳腐な感想だろうけど、わたしは安心して物語を閉じられた。

コメント